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許嫁が多すぎる
第12章 最終決戦、開始
「テレビで活躍しているアイドルを見て、いつか私もアイドルになるんだって……でも私がなれたのは子供用アダルトビデオ女優……ジュニアアイドルだった」
「今は立派なアイドルじゃないか。そんなこと言うなよ」
「今は、ね。でもジュニアアイドルだろうがアイドルだろうが、そんなに違いがないってわかった。芸能界なんて、汚いところだもん」
脚をぷらぷらとさせながら寂しそうに一条寺は呟いた。
「学校もロクに行かず、友達も出来ず、彼氏も作れないで……みんなが当たり前に過ごしている青春時代を送れずに……手に入れたものはこんなもんだったんだって……」
最後の方はほとんど涙声だった。
だから翔太は一条寺の方を見ず、泣いていることに気付いてない振りをして喋った。
「すごいもの手に入れたじゃん。なかなかなれないぜ、アイドルなんて。なりたくてもなれない。それになれたんだから一条寺さんは凄いんだよ。卑下するなよ」
「……うん。わかってる……自分で選んだんだから、仕方ないよね」
「仕方ないなんて言うなよ。ファンが悲しむぜ? それに一条寺さんが思ってるほど、友達作ったり彼氏作ったりの青春は気楽でもないし、楽しくもない」
「そうなの? でも汚い大人たちの都合に振り回されて、笑いたくもないとき笑って、枕営業させられそうになったりとか……そんなことはないでしょ?」
言い負かされまいと一条寺は自分の不幸自慢を精一杯主張した。
「今は立派なアイドルじゃないか。そんなこと言うなよ」
「今は、ね。でもジュニアアイドルだろうがアイドルだろうが、そんなに違いがないってわかった。芸能界なんて、汚いところだもん」
脚をぷらぷらとさせながら寂しそうに一条寺は呟いた。
「学校もロクに行かず、友達も出来ず、彼氏も作れないで……みんなが当たり前に過ごしている青春時代を送れずに……手に入れたものはこんなもんだったんだって……」
最後の方はほとんど涙声だった。
だから翔太は一条寺の方を見ず、泣いていることに気付いてない振りをして喋った。
「すごいもの手に入れたじゃん。なかなかなれないぜ、アイドルなんて。なりたくてもなれない。それになれたんだから一条寺さんは凄いんだよ。卑下するなよ」
「……うん。わかってる……自分で選んだんだから、仕方ないよね」
「仕方ないなんて言うなよ。ファンが悲しむぜ? それに一条寺さんが思ってるほど、友達作ったり彼氏作ったりの青春は気楽でもないし、楽しくもない」
「そうなの? でも汚い大人たちの都合に振り回されて、笑いたくもないとき笑って、枕営業させられそうになったりとか……そんなことはないでしょ?」
言い負かされまいと一条寺は自分の不幸自慢を精一杯主張した。