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許嫁が多すぎる
第1章 許嫁増殖
「い、許嫁って……!?」
初代許嫁ロロットが一番困惑した表情を見せた。
「はじめまして、翔太君。桃園真愛(ももぞのまな)、二十二歳です。翔太君の五歳年上かな? 翔太君、上は嫌い?」
桃園はそっと翔太の頬に手を当てながら、耳でなく脳に問い掛けるような甘くて妖艶な声で問い掛ける。
「あ、いえ、あのっ……き、嫌いじゃないです……」
「うふ……嬉しい……」
ご褒美のように桃園はもう一度翔太にチュッと軽くキスをする。
「な、なななに言ってるのよ、翔太君!! そこは『嫌いです』でしょ!?」
彼女であるさくらは翔太を桃園と引き離しながら詰る。
「翔太君も色気のないお子ちゃまより魅惑的な女性が好きってことよ」
大体の雰囲気を察した桃園も挑発したようにロロット、さくらを睥睨する。
「おばさんは黙っててっ! だいいち何が許嫁よっ! 翔太の許嫁は私なんだからっ! 偽物っ!」
「あなたこそ偽物じゃなくて? 私は翔太君のお祖父さまである『有馬紫水(ありましすい)』様に定められた許嫁なんだから」
「私だってそうよっ! 紫水様から認められた本物の許嫁なのっ!」
ロロットは牙を剥き出しにし、桃園は余裕たっぷりの表情で睨み合う。
初代許嫁ロロットが一番困惑した表情を見せた。
「はじめまして、翔太君。桃園真愛(ももぞのまな)、二十二歳です。翔太君の五歳年上かな? 翔太君、上は嫌い?」
桃園はそっと翔太の頬に手を当てながら、耳でなく脳に問い掛けるような甘くて妖艶な声で問い掛ける。
「あ、いえ、あのっ……き、嫌いじゃないです……」
「うふ……嬉しい……」
ご褒美のように桃園はもう一度翔太にチュッと軽くキスをする。
「な、なななに言ってるのよ、翔太君!! そこは『嫌いです』でしょ!?」
彼女であるさくらは翔太を桃園と引き離しながら詰る。
「翔太君も色気のないお子ちゃまより魅惑的な女性が好きってことよ」
大体の雰囲気を察した桃園も挑発したようにロロット、さくらを睥睨する。
「おばさんは黙っててっ! だいいち何が許嫁よっ! 翔太の許嫁は私なんだからっ! 偽物っ!」
「あなたこそ偽物じゃなくて? 私は翔太君のお祖父さまである『有馬紫水(ありましすい)』様に定められた許嫁なんだから」
「私だってそうよっ! 紫水様から認められた本物の許嫁なのっ!」
ロロットは牙を剥き出しにし、桃園は余裕たっぷりの表情で睨み合う。