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許嫁が多すぎる
第7章 第二脱落者
控え目なノックが聞こえ、翔太は「どうぞ」と言って入室を促した。

ドアが開き、入ってきたのは幼なじみの天谷聡子だった。

「よ、よお……」

ショートヘアを照れ臭そうに掻きながら翔太に近付いてくる。

「天谷か……なんだかお前だとほっとするな」

「な、なんだよ、ほっとするって。ドキッとしろよ、あたしでも」

憎まれ口を叩きながらも特別な存在として扱って貰い、内心は飛び付きたくなるくらいに嬉しかった。

ベッドに座る翔太の脇にちょんと腰掛けてモジモジする。

「じゃあ……試験始めるか……」

「んっ……」

「そんなに固くなるなよ。俺まで緊張する」

「だって……んんっ」

戸惑った顔の天谷に翔太はキスをする。
唇が触れた瞬間だけ天谷はアーモンドのようなくりんとした目を見開いたが、すぐに伏し目がちな女の顔に変わる。


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