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大魔王の子を孕みます
第2章 大魔王屋敷
信じられないくらいに遠かった。
普通サイズに見えてた趣味の悪い噴水はちょっとした丘並にバカデカいものだと知る。
悪魔の妖精と言われる羽根の生えたゴブリンの彫刻があしらわれた噴水…。
中央部では醜い蛇の様なドラゴンが水を吹き出して一応は噴水なのですよと示してる。
「確か、この蛇ってリヴァイアサンだっけ?」
水の悪魔の名を知ったかぶりで呟く。
噴水から奥にある屋敷はまだ遠い。
スタートした門から見えてた屋敷とは既にサイズ感が半端なく変わってる。
門の時はまだ屋敷の全体が見えていたが、今は玄関部分と果てしなく続く壁くらいしか見えなくなった。
「だから城なんですとかいう言い訳をするつもりか?やっぱり、デュセリオンの運営って馬鹿なのかも。」
独り言を言いながら、謎の洋館に向かって歩き出す。
やっと館の玄関先に辿り着いた頃にはゼーゼーと息切れしてる俺が居る。
「なんなんだ?新しいシステムか?運動不足の俺にそんなシステムって迷惑なだけだ。」
ゲーム内で息切れするとか普通に考えて有り得ない。
スポーツエリアなどでは、わざと負荷を感じるシステムが導入されていて疲れを感じるようにはなってるが、大魔王討伐エリアで息切れがするシステムとか単なるありがた迷惑だ。
玄関の扉は門と同じで10m以上はある。
要するに大魔王のサイズ感がそのくらいあるのだと想像しながら玄関扉の前に立つ。
運営が創り出したNPC(ノンプレイヤーキャラクター)の場合、サイズがとんでもない大きさで設定されてる事がザラにある。
ラスボスである大魔王がビルほどのサイズだったとしても不思議だとは思わない。
ただ、戦闘が面倒臭いとか考える。
やたらとデカいNPCの場合、弱点ポイントが設定されており、そこを見つけ出して破壊するまで戦闘が終わらない。