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大魔王の子を孕みます
第12章 人の村
ライズが消えそうな気がする。
闇夜の時とは違う。
そんなはずないと心の何処かで思う。
だってライズは大魔王だ。
この世界を君臨する者…。
魔族は全てライズに仕えるだけの者しか居ないはず…。
神と勇者が消えたこの世界で、今更ライズを狙う奴なんか存在するはずがない。
「俺よりライズのが強いだろ。」
笑ってそう誤魔化す。
「そうだな…。」
いつものように俺の口を塞ぐようにキスをする。
ライズの腕の中に居る自分が嫌いじゃない。
ずっと、この腕の中で守られてる。
その幸せを壊そうとする奴が現れたら俺はどうするのだろう?
舌を絡ませてライズが深いキスを続ける。
こんな時間が永遠に続く事を願ってた。
「ほら、シロ…、見てごらん。」
キスが終わり、ライズが呟く。
窓の外が…。
白く明るくなってる。
「これって…。」
「人の村が近い。」
ライズの膝から飛び降りてカーテンを開ける。
「痛ぇっ…。」
目に針が刺さったように感じる。
夜に慣れきった俺の目が太陽の光を拒否してる。
痛みに目を閉じて、ゆっくりと目を慣らしながら開ける。
「世界が黄色い…。」
ゲームオタクの俺は太陽が黄色に感じる経験を何度もしてる。
「みぎゃーっ!目がっ!目がっ!」
ミルも大騒ぎしてる。
リリス達は更に顔色を悪くする。
「ライズ…、リリス達は大丈夫なのか?」
「サキュバスだからね。太陽光は苦手というだけで問題はない。」
「なら、メフィストは?」
御者台でガーラを操る悪魔メフィストの苦しむ姿が俺の想像の中で浮かぶ。
ざまあみろ!エロジジイっ!
そんな期待でワクワクする。
御者台が見える窓を開けてメフィストを見た。