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大魔王の子を孕みます
第12章 人の村
石畳で舗装された道…。
街の中を流れる美しい川…。
赤い屋根の建物が連なる綺麗な街…。
デュセリオンのスレイブの街に少し似てる気がする。
「今夜は何処に泊まるんだ?宿屋みたいなところか?」
久しぶりに味わう冒険者感覚…。
やっぱり俺って、こういう旅が好きだと思う。
「一応は城に泊まる予定だが、シロが宿屋の方が良いなら、そっちでも構わない。」
「城?城に泊まれるのか?すげーっ!」
「はしゃぐと転ぶぞ。」
はしゃがずにいられない。
初めて見る街に興奮する。
城門を抜け切った時だった。
「お迎えに上がりました。」
と古めかしい鎧を来た如何にも兵士と思われる人々が行儀良くズラリと並んでライズの前で跪く。
「ライズ?」
「セラフからの迎えだ。」
「セラフ?」
「そいつが先代大魔王だ。」
つまりライズの父ちゃんからのお迎えらしい。
だけどライズは兵士の1人に向かって
「馬車だけを頼む。私達は街を見てから城に向かう。」
と命令する。
「ですが…。」
兵士の隊長らしき男が困った表情をしてる。
「問題ない。メフィストも居る。馬車に居るエリスとリリスだけ先に休ませてやれば良い。」
突き放すように言うとライズは俺を連れて街の真ん中に向かって歩き出す。
「いいのか?」
「何が?」
「ライズの父ちゃん、ライズに早く会いたいんじゃねえの?」
「すぐに日が暮れてしまう。シロは太陽の光を浴びるのは久しぶりだろ?」
父ちゃんよりも俺が優先だとライズが言う。
「あの太陽って人工なんだよな?」
既に傾き始めてる太陽についてライズに聞く。
ミルとメフィストが後ろについて来てるが俺はデート気分でライズの腕に腕を絡めて歩き出す。