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大魔王の子を孕みます
第13章 女神
そんな俺をジンが豪快に笑い飛ばす。
「お嬢ちゃんがガイヤの犠牲者になりかけたメイドか…、その件は弟に変わって謝罪する。ただ弟のガイヤは母親がヴァンパイアだから人狼にしては魔力が以上に高く、闇夜の時期はどうしても血を求めておかしくなりやがる。俺はガイヤとは母親が違う。普通の人狼は本来なら魔力よりも精力の方が強いから闇夜は人の女と繁殖行為に勤しむのに忙しい。」
そんな感じでジンは前回の闇夜だけで20人以上の女とベッドに居たのだと自慢する。
人狼の精力は人よりもかなり強く、女にだけは不自由をした事がないとジンが笑う。
ライズとは仲が良さげだが、随分と下品な友人だとも思う。
「それで…、わざわざ何の用だ?」
ジンの下品な話には付き合えないとライズが言う。
「セラフ様の迎えを断られたから俺が直接迎えに来た。ライズだけでも来て貰わなければ立場上、困るんだ。」
人狼が深刻な表情でグルルと喉を鳴らせば、俺とミルは恐怖を感じて食べてたものを喉に詰まらせる。
「ジンだけ困れば良い。」
ライズは涼しい顔のままだ。
「例の話もあるから…、少しだけ俺に付き合ってくれ…。」
ジンの方はそこを譲らない。
「行ってやれよ。俺とミルは食事が終わったら追いかけるし、メフィストも居るから大丈夫だぞ。」
ジンだって、それが仕事なんだろうと思うから、サラリーマン経験者の俺は同情する。
「わかった。」
ライズが席から立ち上がる。
その背には不機嫌という恐怖のオーラを纏う。
いちいち拗ねなくていいから…。
この様子だと今夜もきっと寝かせては貰えないのだろうとため息を吐きながら俺はライズを送り出す。
最後まで俺の顔にキスの雨を振らせた大魔王が立ち去り、俺とミルは食事の続きをする。