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大魔王の子を孕みます
第4章 温室



飲食が不可能なデュセリオン…。

飲食が出来るならば、ここは現実…。

ケーキとか、甘い物はほとんど食べた事がない。

なのに口の中からじんわりと広がる甘さが嬉しくて幸せな気分にさせられる。

フルフルと小刻みに身体が震え出す。

これは状況の変化が激しく疲れ過ぎてた俺の脳が甘い物を求めてて起きた現象なのか、それとも女の子に変えられた為に起きる現象なのかはわからない。


「んーっまっ!」


涙が出そうなほどケーキが美味いと叫んでしまう。


「甘過ぎなかったか?」


ライズが俺の顔を覗き込む。

紫に光る美しい瞳に見つめられると俺の心臓がドキドキする。


「ふ…、普通に美味いよ。気になるならお前も食べてみればいいじゃん。」


真っ直ぐに見つめられるとか恥ずかしいからとライズから目を逸らしたのが間違いだった。

次の瞬間にはライズの唇が俺の唇を塞ぎ、ザラついた舌で俺の唇を舐めて来る。


俺のファーストキスがぁぁぁああっ!?


発狂しそうになる。

頭の中は男に奪われたファーストキスという黒歴史を打ち消したいと真っ白になっていく。

ライズを突き飛ばして離れたいと思ってた。

なのに俺の身体は俺の言う事を聞いてはくれず、ライズの舌に翻弄されて口の中への侵入まで許してしまう。

頭が熱くてぼんやりとする。

ライズの舌は俺の歯を舐め、上顎を舐めてから俺の舌へと絡み付き俺の舌を転がすように舐め回す。


「…んぁ…。」


息をしたくて更に口を開けば、ライズの唇がゆっくりと糸を引きながら俺の唇から離れてく。


「やはり生クリームが甘いな。」


ライズが穏やかに笑う。


バカヤローっ!


俺のファーストキスを奪った男を睨み付ける。


「俺で味見とかすんな。そういうのは女が一番嫌がるセクハラっていうんだぞっ!」


悔し紛れに喚き散らす。


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