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大魔王の子を孕みます
第4章 温室



「なんで、神々を滅ぼした?」


俺に優しいライズが無闇に攻撃するとは思えない。


「始まりのこの世界では魔族と神しか存在しなかった。だが、神は気まぐれに人を創り出したのだ。」


人の寿命は魔族や神と違って遥かに短い。

その分、人の繁殖力は半端なく、いつしか世界は神と魔族と人の世界の3つに分かれてた。

そのうちに人は神を崇拝する者と魔族を崇拝する者で戦争を始めてしまった。

人の行動に呆れた神は、ある日、人に命じる。


『人は神が創ったものだ。神に仕えないものは必要ない。』


こうして、人の中には魔族を攻撃する者が現れた。

しかも神の祝福を得た勇者が全ての悪の根源はライズだと言い、大魔王は倒すべきだという自論を掲げて押し掛けて来る。


「この傷は、その勇者が付けたものだ。」


顔の古傷を触りながら寂しい表情でライズが笑う。

ライズだって人が憎かった訳じゃない。

それでも、一方的に攻撃を受けて傷を付けられればライズの怒りは収まらない。


「それから勇者と名乗る者は全て排除した。面倒だからと勇者を創り出す神々とやらも、ついでに葬ってやったまでだ。」

「この傷はもう治らないのか?」


せっかく綺麗な顔をしてるのに、変な古傷があるから、なんとなく勿体ない気がする。


「消すのは簡単だ。だが、これは人への見せしめにしてる。再び勇者を目指し私に挑めば、次は容赦なく人も滅ぼすとな。」

「この世界には、まだ人が居るのかっ!?」

「数は少ないが限られた場所で生活はさせてやってる。私を崇拝する人間までもを滅ぼそうとは思わない。」


俺の中で大魔王のイメージが変わってく。

ライズって…。

ちょっと、良い奴かも?

俺の女心が少しキュンとかする。

いやいやいや…。

そんな簡単に惚れたりしたら、俺って尻軽なダメ女でしょ?

フルフルと自分の考えを打ち消そうと首を横に振る。


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