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大魔王の子を孕みます
第4章 温室



惚れちゃダメなんだよ。

ライズは嫌いじゃないが孕まされたら堪らない。

そう考えてる俺なのにライズはただ優しい笑顔を見せてケーキを食べさせる。


「このケーキ…、ライズが作ったのか?」

「そうだ。」

「大魔王はケーキ作りが趣味なのか?」

「単に暇だから人間の真似事をしていただけだ。」

「自分で食べないのにか?」

「魔族は食事をしない。」


ライズを質問責めにして俺はこの世界の事を知る。

魔族は食事をしない。

魔族にあるのは生き残る為の生殖本能だけらしい。

ヴァンパイアが人の血を吸うのは食事ではなく支配の為の行動だとライズが言う。


「お前は私のものだよ。シロ…。」


そう言ってライズが俺の首筋に口付けて強く吸う。

チクリとした感覚を首筋で感じればライズのものだと言わんばかりの印が首筋に付けられる。


「変な跡を付けんな。」

「私のものだ。」


要するに支配するだけが魔族らしい。

その魔族の頂点に立つのがライズ…。


「メフィストって…。」

「悪魔だ。この屋敷の執事長であり、シロの上司でもある。」

「じゃあ、リリスは?」

「あれは、まだ子供だが気を付けろ。リリスはサキュバスで私の護衛を務めてる。」


サキュバスやインキュバスは淫魔だから、手当り次第に人の精液や愛液を貪ろうとするらしい。

ライズが俺を犯す前にリリスが俺を襲うかもと、ライズが馬鹿にしたように俺を笑う。


「ライズの護衛なんだろ?ちゃんと躾しとけよ。」


俺が不機嫌に不貞腐れれば頬でリップ音が鳴る。


「何かあれば私の名を呼べばいい。」


ライズの扱いに戸惑う。

自分が本当に女でライズのものだと錯覚する。


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