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大魔王の子を孕みます
第4章 温室



ライズの紫の瞳に惹き込まれる。

それが怖くて俯く。


「まだ…、知りたい事はあるか?」


俺の顎を指先で軽く持ち上げてライズが聞く。

ライズは俺の質問に全て答えてる。

時間稼ぎは限界だ。

ライズから顔を背け、テラスで空を仰げば巨大な月が俺を見てる。


「えーっと…、今日の月ってスーパームーンってやつか?」


くだらない事を聞いて誤魔化そうとすればライズが俺の首筋に指先を這わせながら


「スーパームーンとはなんだ?人が居ない魔界ではずっと夜が当たり前で月が満月なのも当たり前だ。ただし、後2、3日もすれば月が欠け始め、やがて新月へと変化する。その時期の魔族は凶暴になりやすいから気を付けなさい。」


と丁寧に答えてくれる。

首筋にあった指先が俺の胸元まで降りて来る。

ライズに見せつけてる谷間に沿って指先が動くだけで俺の身体は期待してライズが触れる部分が熱くなる。


「こらっ!セクハラすんな。」

「もう、私を知るには充分だろ?」

「知ったからって、その気にはなんないのっ!」

「だから、どうすれば、その気になるのかを聞いてる。」


どうすれば、その気になる?

そんなの俺が知りたいよ。

女にモテた事の無い俺は途方に暮れる。


「まあ、一番はその男が好きって事じゃないの?」


適当に言う。


「シロは私が嫌いか?」


真っ直ぐで率直なライズの質問…。

嫌いじゃないけどさ…。


「俺、やっぱり男だからさ。男に惚れるとか難しいと思う。」


それが正直な答えだと思う。

ライズは俺の答えを真面目な表情で考え込む。


魔族って…、結構、真面目なんだな。


もっと、いい加減で人を騙したり脅したりするだけの悪いイメージしかなかった魔族への偏見を改めようとか考える。


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