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大魔王の子を孕みます
第6章 乗馬
今だって、俺が元剣士だから武器になるものは持たせられないと警戒するくせに、俺を孕ませようと必死になるのが不思議だ。
俺を愛してるから?
あの声で愛してるとか囁かれたら、このテーブルの上で裸になる俺がライズに食べてって言っちゃうかもしれない。
ライズの答えを期待してドキドキする。
顔が火照り、期待する目でライズを見上げる。
ライズは真っ直ぐに俺を見る。
「シロはユニークだからな。」
と変な言い回しをする。
「ユニークってなんだよ?」
期待外れの答えに口を尖らせる。
「特別って事だ。この魔界では全ての魔族が私に従い仕えるだけの存在だ。シロ以外の人間達もやはり恐怖と崇拝だけで私に従える。だが、シロは違う。」
俺が尖らせた唇にライズが指先で触れて来る。
「俺が違う?」
「シロは私を困らせる。私に仕えるくせに私を拒もうとする。私にとってシロは特別でユニークな存在だ。」
特別だと言われれば答えとしては嬉しいけど…。
「なら、俺の事を愛してる?」
やっぱり、その一言が欲しくなる。
なのにライズが寂しい表情をする。
「ほら、シロはそうやって私を困らせる。」
「何がだよ?」
「魔族に愛は存在しない。魔族にあるのは生存の為の性欲と支配だけだと言ったはずだ。愛を語らうのは神々と人間だけだ。」
ちょっとショックで胸が痛くなる。
「じゃあ、ライズは俺を愛してないって事かよ。」
吐き捨てるように言えばライズの瞳が悲しく光る。
「シロは特別だ。それでも魔族には愛が理解出来ない。」
ライズを困らせるのは嫌だ。
でも、愛されてると思ってたのは俺だけだと言われると悔しくて涙が出そうになる。