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大魔王の子を孕みます
第6章 乗馬
問題ははぐれ者の存在だ。
どの世界にも一族の中に収まりきらないはぐれ者が居る。
「そういう連中が亜人村や人間の村を見境無しに襲う。」
それを監視する役目としてリリスやメフィストが魔界の巡回に出てるらしい。
リリス達の手に負えない時だけライズが出動する。
大魔王の召喚…。
それは、暴走した魔族が消滅させられる事を意味してる。
「だから、私は出来るだけここに居る。今はシロが傍に居ればそれで良い。」
ライズが話を誤魔化すように俺の頬に口付けをする。
「そんなのやだよ。その巡回ってやつに俺も行く。」
ライズを突き放して我儘を言う。
もしも、俺がライズの役に立つと認めて貰えれば、ライズはもっと俺を好きになってくれるかもしれない。
いっぱい好きになってくれたら愛してるの意味を理解してくれるかもしれない。
今のまま、ただ子を孕む為の道具みたいに扱われるのが嫌だ。
ライズは俺の我儘にやっぱり困った表情を見せる。
「シロには危険だと言っただろ?」
「馬鹿にすんな。俺だって元剣士だぞ。」
「悪いが、シロに武器を使わせる事は出来ない。凶暴化して暴走したとしても魔族は私に仕えるものなのだからな。」
「リリス達はどうやってるんだよ?」
「あれらは最上級魔法の使い手だ。暴走した魔族を捕獲して拘束するくらいは簡単に出来る。」
「俺には使えない魔法か?」
「シロは人間だからな。人間には魔力が元々存在しない。」
「じゃあ、拘束する為の道具とか無いのかよ?」
「あるにはあるが…。」
そこでライズがまた困った表情をする。
ここは、もう一押しだと俺の心で悪魔が囁く。
「ねえ、ライズ様…、シロもライズ様のお役に立ちたいの…。」
シナを作り、出来るだけ可愛く強請る。
グッジョブ!
自分でも会心のお強請りが出来たとほくそ笑む。