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大魔王の子を孕みます
第6章 乗馬
「わかった…。」
諦めたようにライズがため息を吐く。
「いいの?」
「ただし、馬に乗れたらな。」
「馬?」
要するにリリス達みたいに飛べない俺は馬に乗って巡回する必要があるらしい。
馬に乗る経験なら一応、デュセリオンで仮想体験の経験がある。
「食事を済ませたなら練習だ。もしも、乗りこなせない場合は留守番だと諦めろ。」
優しい声だけど厳しい言い方でライズが言う。
「馬くらい楽勝。それで、どこで練習する?」
俺の方は久しぶりに冒険気分が味わえると能天気。
「庭で…。」
軽く俺の唇に触れる程度のキスをしたライズが食堂から出て、玄関口へと向かう。
玄関を出れば馬鹿デカい噴水がある馬鹿デカい庭がある。
庭の芝生の上に立つライズの身体から黒いオーラが立ち上る。
ライズは地面に向け手を翳し、声を掛ける。
「我に従うものよ…、我が名において命ず。我は汝が主、ライズ。ここに居出て跪け…。」
ライズが呼び出しを唱える。
俺はその姿に見惚れる。
大魔王として、この世界に君臨するものの姿…。
地が光り、影が揺らぎ、ライズの呼び出しに応じた魔物がその姿を形作る。
幻獣の召喚…。
漆黒の闇を思わせる巨大な馬が脚を折り横たわる姿勢でライズの前で頭を垂れる。
「よく来たな。ガーラ…。」
ライズが穏やかな笑みを浮かべて馬の鬣を撫でる。
一見、大人しそうには見えるが馬の頭には曲がりくねった2本の角が生えており、目付きが鋭く危ないオーラが漂ってる。
「悪魔のユニコーン(一角獣)?」
よくわからない魔獣についてライズに質問する。
「これはバイコーン(二角獣)だ。ユニコーンは神を慕う聖なる処女を好むがバイコーンは悪魔を崇拝する淫乱な女を好む。」
クックッとライズが俺を馬鹿にしたように笑う。