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大魔王の子を孕みます
第7章 亜人の森



「シロ…。」


ライズが俺の腕を掴む。


「すぐに戻るってば…。巡回って言っても凶暴化してる魔族が居ないか見回るだけだろ?」


過保護過ぎるとウザいとか思う。

千夏さんだって、しつこい男は嫌われると言ってた。

ライズの過保護は行き過ぎてる。

毎日のようにベッドで俺を抱いてるくせに、ライズはトイレにまでついて来ようとする。

流石に束縛が強過ぎるから、こうやってライズと離れる時間が欲しいと思う。


「屋敷の南側が亜人の森、人間のシロが巡回出来るのは、その森だけだ。屋敷の北側には近付くな。そちら側はシロの手に負えるエリアではない。」


夕べから同じ事を何度もライズが繰り返し言う。


「わかってるって、もう何回も聞いたから…。」


俺からすれば小一時間ほど森をガーラと走り、息抜きが済めばライズのところに帰るつもりだ。


「南の森だけ見て回る。道や方角はガーラが知ってるから俺はガーラから逸れてはいけない。万が一が起きた時は必ずご主人様であるライズ様をお呼びする。」


そうやってライズとの約束を嫌味ったらしく復唱すれば、ライズが嫌そうに眉を顰める。


「約束は守れ…。」


そう命じると俺に背を向けてライズが屋敷へと消える。

いってらっしゃいのキスを期待してた訳じゃないが…。


「初めてのお使いに行く子供じゃあるまいし…、なんなんだよ?あの態度は…。大体、ライズは俺の何なの?ご主人様?保護者?過保護も大概にしろってな。」


屋敷を出て南に向かって歩き出すガーラの上でライズの態度に悪態をつく俺が居る。

散々、束縛する態度を取っておいて、いざ出掛ける瞬間になると、あんな風に俺なんかどうにでもなればいいみたいな態度をするのが許せない。


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