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大魔王の子を孕みます
第7章 亜人の森
今、思い出しても死ぬほど恥ずかしい。
「ライズの馬鹿っ!」
そうやって俺はライズと距離を置きたくなる。
俺の顔が怒りと恥ずかしさで真っ赤に染まった瞬間
キィャヤヤァァアアッ!!
ととんでもない声がする。
「ガーラ?今のは、獣の声?魔獣か何かの声か?」
俺の質問にブルルとガーラが首を振る。
「悲鳴?見に行くぞ。」
ガーラが俺の命令で走り出す。
流石、ライズの愛馬…。
森の中だというのに一蹴りで数百mを突き進む。
不意にガーラが立ち止まる。
俺を降ろし、ガーラが警戒するように静かに鼻を鳴らす。
そのガーラの鼻先…。
木と木の間に人が見える。
いや…。
人じゃない。
小さな金髪の少女だが、その頭にはぴょこんと兎の様な長い耳が生えている。
少女は亜人だ。
兎耳の亜人…。
そして長い耳はフルフルと震え、少女の顔へと垂れ下がり、少女が怯えてるのだと知らしてる。
それもそのはずだ。
少女の服はナイフに切り裂かれたようにビリビリにされて避け目がそこら中にあり、少女の白い肌を剥き出しにしてる。
腕や脚にも、やはりナイフで切られたような無数の切り傷があり、少女は目を見開き同じ場所をじっと見てる。
傷だらけの少女はまだ俺の存在に気付いてない。
俺はそっと木の影から少女が怯えてる原因を探ってみる。
少女の数m先…。
深い海の色をした蒼い物体が見える。
夜の薄暗い森…。
息を止め、目を凝らして蒼い物を確認する。
風が吹いた。
その蒼い物がサラサラと風にそよぐ。
毛皮だ。
フサフサとした長い尻尾がゆらりと動く。
風で雲が流れ、月明かりがそれを照らす。
3m近くある巨大な男にも見えた。
しかし、それは人ではない。