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大魔王の子を孕みます
第7章 亜人の森
ずしりと人狼が俺の方へと身体の向きを変えてから
「お前、人間だな。こっちに来い。」
と長い爪が生えた指をチョイチョイと動かす。
俺はガーラを従えたまま、人狼の前へと進み出る。
「何者だ?人間…。」
人狼がニヤニヤして俺の胸元を見てる。
「見ての通りのメイドだ。この森で愛馬の乗馬を楽しんでた。」
俺に鼻の下を伸ばす人狼の隙を付けば少女を連れて逃げ出せるかもしれない。
「嘘を言うな。人間…、今の時期に人間は家から決して出ない。しかも、この魔導器…、お前如きが使える道具ではない。お前は一体何者だ?」
人狼は慎重に質問する。
俺には人狼が怯えてるようにも見える。
もしかして…。
「その魔導器はライズ様の物よ。森を散歩するなら持って行くように言われたの。」
出来るだけ可愛げのある女を演じて人狼と話をする。
人狼はライズを警戒してる。
「ライズだと?お前は大魔王のメイドか?」
「そう…、だから…、もう行くわ。大魔王様が待ってるもの。」
ライズの名前で逃げ出せると思ってた。
「そいつは無理だな。」
そう人狼が呟いた瞬間、俺の前で人狼の爪が光る。
「ヒッ!?」
悲鳴を上げる間もなく、俺の服がバラバラに砕け散る。
「何すんだよっ!?」
曝け出しだ胸を腕で押さえて座り込む。
「ライズのメイドだと?さぞかし良い身体をしてるんだよな?亜人の小娘よりも甚振り甲斐がありそうだ。」
人狼が座り込む俺の腕に鋭い爪で切り傷を付けていく。
「やめてっ!」
「それは出来ない。ライズが悪いのさ。今の時期に可愛いメイドを森になんか出したのだから…、しかも、お前はバイコーンで遊ぶやらしいメイドときてる。俺の為に楽しませろ。」
凶暴化して理性を失くした人狼にライズの名は通用しない。