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大魔王の子を孕みます
第8章 開かずの間
兎耳少女の表情がぱぁっと明るくなり満面の笑顔で
「シロ様に助けて頂いたミルです。」
と元気な声で答えてくれる。
助けたのはライズだ。
あの時の俺はライズにしがみつき、泣けば許される女みたいにワンワンと泣き散らしてただけだった。
ライズと屋敷に戻りベッドに放り込まれても俺はライズの腕の中で泣き続けて、最後は泣き疲れて寝落ちした。
それを思い出すだけで俺って最低だとか思う。
泣けば許される女って…。
自分が男の時はウザいとしか思ってなかったくせに…。
自分の狡さにため息が出る。
「シロ様…?」
心配する兎耳少女が俺の手に小さな手を添えて来る。
「ミル…だっけ?大丈夫だよ。ミルは怪我とかないか?」
俺の身体はライズが舐め尽くしてくれた。
それが嬉しかったのに…。
泣くしか出来ない女だった自分に凹む。
ミルの身体を見る限り、人狼に付けられた傷は見当たらない。
ミルもライズが舐め倒したって意味か!?
惨めな自分を打ち消す怒りが湧いて来る。
「ミルの身体は…。」
そう言ったミルが頬をピンク色に染めて恥ずかしげに俯く。
かなりムカついた。
「ライズっ!」
俺はここに居ない浮気者主を呼び付ける。
慌てるミルが
「シロ様…、ごめんなさい。ライズ様は今は…。」
と俺にしがみつく。
「ライズが何?」
ぶっきらぼうに問えばミルが小さな身体をビクンと震わせる。
こんな小さな子を怯えさせる自分に罪悪感が出る。
「ごめん、ミルに怒ってる訳じゃないよ。」
さっきみたいに優しく頭を撫でればミルが嬉しそうに笑う。
「ライズ様はしばらくお忙しいから…、ミルがシロ様をお世話するように言付かりました。」
ミルなりに必死に今の状況を説明する。