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大魔王の子を孕みます
第8章 開かずの間
「ライズが忙しい?」
俺に浮気を責められるのが嫌で逃げてるとしか思えない。
ミルは少し悩んでから
「今は…、闇夜の時期ですから…。」
とだけ小さく呟く。
「闇夜?」
「はい、月が欠け、やがて空は闇夜になります。闇夜は魔族に様々な影響を及ぼします。」
「ミルも影響を受けるのか?」
「ミルは亜人ですから…、多少は受けます。」
「つまり亜人も魔族って事か?」
「亜人は人と魔族の間に生まれた子です。闇夜に支配を受けないのはシロ様のように神に創られた人間だけですから…。」
俺の質問責めにミルが必死に答えてくれる。
なのに…。
「その闇夜のせいでライズが忙しいってのはわかったけど、何処に行ったんだよ?」
質問がライズの事になるとミルが口篭る。
「それは…。」
「それは?」
「ミルの口からは言えません。」
緑色の垂れ目を潤ませて恥じらう少女にライズが何をしたのかとか考えるだけで頭に血が登る。
「ミル…、答えろ。」
「シロ様…、ミルでは不足かもしれませんがミルが一生懸命にシロ様のお世話を致しますから…。」
「それを決めるのはライズの話を聞いてからだ。」
ライズの浮気相手の少女が俺の面倒をみるとか、気分が悪いとしか思えない。
「シロ様ぁ…。」
甘ったるい声でミルは俺に縋る。
可愛いけど…。
オタクだった時の俺なら、間違いなく、このベッドでミルを押し倒してるとは思うけど…。
「ライズを探す。」
ミルを突き放してベッドから出れば、部屋の扉がノックされる。
「ライズか?」
扉に向かってそう言えば、扉が開き、食事を乗せたワゴンを押しながらメフィストが入って来る。