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片時雨を抱きしめて
第1章 第一章 自覚


「おい、綿谷!」

次の日学校に行くと、担任がまた私を呼び出した。
連日面談ははじめてだな……心の中で苦く笑った。

生徒指導室は狭い。
先生のボールペンの音がよく響く。癖なんだろうな、それ。

「進学か就職かだけ教えてよ。あ、あと昨日言ってた片親向けの奨学金。条件厳しいのも多いけど、綿谷だったらいけそうなやつもあるし、ほら、この作文のやつとかさ。親御さんともちゃんと話さないと、ね」

青木が私の顔を覗き込みながら優しく言う。子供をあやしつけるように。

親御さん、か。
恋人と喧嘩するだけで部屋中吐しゃ物まみれにするママも、私の親御さんなのか。

目の奥がじんとした。



「ママはさ、彼氏と喧嘩して弱ってるから、いまそういう話はできんの。
先生にはわからんやろうけどさ、みんながみんな素敵なママを持っているわけではないんよ。
かわいくて、きれいで、自慢のママだけど、大好きだけど、ママはうちのこと好きじゃないし、そういう、目の当たりにするのきついよ」


だから、こういう話はつらい。

親子の関係が試される話は、つらい。


今のママにそんなはなしをして、まともに取り合ってくれるわけがない。




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