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片時雨を抱きしめて
第3章 第三章 記憶


「おれ、さ」

食器を片付ける音が台所からしている。
その合間に先生の声がした。

「ん?」

私の位置から、先生の表情は見えない。
それでも、この先に続く言葉がなにかとても、とても大切なことだと
声のこわばりからうかがえた。

「やっぱ、なんもない」

水を流す音が消えて、先生が言った。
「今日、天気いいね」

洗い物を終えて、手をタオルで拭きながら私へ言った。
さっきまでの声のこわばりは消えていて、いつもの軽やかな声だった。

私はそうだねえと言って、窓を見た。
淡い色のカーテン越しから伝わる光に、目を細める。
冬が色濃い日々のなかで、あたたかな光はうれしいものだった。

「ちょっと歩かない? 気持ちいいよ」

先生はそういうと、近づき私にガウンを差し出した。
あたたかいといっても、スウェット一枚では寒い。

私はそれを受け取ると、先生について玄関に出る。
そこで私ははだしでここまできたことを思い出して、
先生と顔を見合わせて笑った。



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