この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
片時雨を抱きしめて
第3章 第三章 記憶



「で、それが全然クリアできなくてさ、」

私が足を止めたことに先生が気づき、声が止まった。

「ん、どうかした」

少しだけ先をゆく先生が私のほうを振り返る。
綺麗な黒い髪が揺れる。少しだけ透いた黒い目、その中に私が小さく映る。

「どこ、向かってるの」

_____私は何も言えなかった。
言いたいことは、こんなにもたくさんあるのに。
言わなければいけないことは、こんなにもたくさんあるのに。
なにも。


先生もそうだよね、先生だって言いたいこと、言わなくちゃいけないこと、たくさんあるよね。
それとも_____、
こんなにも苦しいのは、私だけなの。

ぐるぐると黒く渦巻く胸の中を見せないように、私はおどけたように先生のほうへ走った。少しだけ空いていた距離を詰めて、となりに並ぶ。
身長差のある先生の顔を覗き込むようにして言う。

「歩くの疲れてきた」

先生は困ったように眉を下げて、
いつものように子供をなだめるように、私の頭の上に手を置こうと、
空をさまよったあと、
_________手を、下した。


/72ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ