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片時雨を抱きしめて
第3章 第三章 記憶
前は、
あのとき、あの夜、先生の部屋で____、
思い出さないようにしていたあの日の出来事が部屋の暗闇に助長され頭の中に駆け巡る。
お腹の底が甘く疼いて、その疼きを振り払うように私は思わず目をきゅっと閉じた。
芽衣は________、
芽衣も、いつかその好きな人に抱かれたり、あんな風に声を上げたりするのだろうか。
好きな人がいる、甘く漏らした芽衣を、愛おしく思った。
どうか芽衣には、私のような苦しみを味わう日がくることがありませんように。
その明るさを、誰にも奪われませんように。
こんな風に、誰かを思うことのぬくもりを味わったのははじめてだった。
私は穏やかな気持ちのまま、眠った。