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僕の嫁は幽霊です。
第2章 告白
そして深夜に事件が起きる。
廃墟マニアと思われるが複数人。やつらは火を持ったまま境内にあがってくる。
動画も撮影している。
逃げている僕が公になるわけにはいかない。

そんなときだった。

――パァァァンッ!!
銃声が鳴響く。
そして、怒号。
廃墟マニアが驚いて逃げていく。

助けてくれたのは、麓の猟師だ。
年齢は僕と同じくらいか。壮年期。

その猟師の話で僕は驚愕する。
深夜に彼の枕元に現れたのは巫女の幽霊。
「起きろ!おい、起きろぉ!」と彼を起こす。
「お、お前・・・もみじじゃねぇかっ!?」
彼と彼女は地元の同級生だった。もちろん、彼は彼女がこの世の者ではないことは知っている。
透き通る白と黒と朱。
「銃を持って神社へ向かえ、出ないとお前を祟るっ!!」
「わ、わかった・・・だが、何をする気なんだ?」
そして、神社で騒ぐやつらを見て、上空に発砲したらしい。


僕は彼女のことを彼に聞いた。
彼女の名は〝もみじ〟亡くなったとき、まだ18歳だったらしい。
ここで自殺した。
巫女の姿であるのはここで高校生の頃に巫女のアルバイトをしていたそうだ。


僕は朝、社務所に向かう。
「巫女さん・・・いや、もみじさんいますか?」
すると彼女はすっと現れる。まるでフェードインのように。

「あなたが助けてくれたんですね。ありがとう」

もみじは何も言わなかった。
ただ、その美しい白い表情は柔らかい。

「よ、よかったら・・・これから一緒にご飯を食べませんか? カップラーメンしかないけど」

「・・・はい、喜んで」

意外にもこれが、もみじと最初の会話となる。
そして、そんな毎日が続いた。




「もみじさん。僕と一緒になりませんか?」
僕は彼女に切り出した。
戦中に亡くなった婚約者と結婚した話を聞いたことがあった。

なら、今、目の前にいる亡くなった者と。
幽霊である彼女に結婚を申し込んでもいいじゃないか。

「私はこの世の者ではありません」

「今更、そんなこと言われなくてもわかってる。それでもいい、君が好きなんだ。それに、君が生きていれば、それほど歳も変わらないし、僕には男性の機能だってないようなもんだし、僕だって存在していてしていないようなもんだし・・・い、命懸けであなたを幸せにする!」

彼女は俯くと「明日、返事をします」と言い、その日は姿を現さなかった。




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