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蕾は開き咲きほこる
第7章 気づかされる想い
その時を思い出しているのかのように、最後の方は言葉を詰まらせ俯くと、ポタリと涙が床に落ちた。

「うん。ごめんね。また辛い思いさせるところだったね」

桜子さんは課長の手をそっと握って言葉をかけると、課長は飲み物を買ってくると言って逃げるようにして病室を出て行った。
その後ろ姿がなんだか切なく……

「課長……本当に桜子さんの事心配していました。電話があった時も仕事そのままで……いつもは几帳面に机の上とか片付けて帰るのにそのままで――桜子さんの事、とても、大事なんですね」

それが答えなのかもしれない。
桜子さんのためなら冷静さを失う課長。
桜子さんのためなら涙を流す課長。
無遅刻無欠勤の課長が仕事を放りだしてまで駆けつけ、心底心配する課長は、きっと……

「桜子さんの事、好きなんだ……」

その言葉を声にすると、また、ズキッと心が痛んだ……

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