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蕾は開き咲きほこる
第7章 気づかされる想い
カーテンを閉め、すべての窓のチェックをした課長と一緒に桜子さんが入院している病院に向かった。
病室には右足を固定し頭に包帯を巻いている桜子さんの姿があった。
あまりの痛々しさに言葉もでない。
「とりあえず入りましょう」
動けないでいる私の背中を押してくれた課長と一緒に病室に入ると、桜子さんは私の手を取って椅子に座らせてくれた。
「驚かせちゃったみたいね。だけど見た目より大したことないのよ」
私を安心させるかのように優しい笑顔を見せるその顔にも擦り傷があり、それは顔だけではなく、私の手を握ってくれた手にも無数の傷があった。
「痛く……ないですか?」
「んっ。今は痛め止め聞いてるから平気。でも、まさか自分が事故にあって入院するとは思わなかったわね」
「本当ですよ。警察から桜子さんが事故に合って病院に運ばれたと聞かされた時は生きた心地がしませんでしたよ。病院に到着しても意識不明で……このまま目を覚まさなかったらと思うと私は……」