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蕾は開き咲きほこる
第8章 冬空の下で
「ねぇ、いい加減ここでデートするのやめてくれない?」
「でっ、でっ、デート?デートだなんて違いますよ!!」
ベッドの上で胡坐をかいて座っている桜子さんは面倒くさそうに私と課長を見て言い放った。
その言葉に動揺する私に桜子さんは尚も動揺すような言葉を浴びせてくる。
「お見舞いに来てくれるのはうれしいわよ、うれしいけどね、毎週のように一緒に病室に来て仲の良い姿を当てられる私の身にもなってよ。だからデートは外でやんなさい。ここをデートの場所にしないでちょうだい!!」
「だっ、だから違いますって……それに、デ、デートだなんてっ、か、課長に失礼です」
「はぁ?何言っちゃってるの?失礼なわけないでしょう!こんな可愛い子とデートできてイヤなわけないじゃない。もしイヤっていうやつがいたら、そいつは馬鹿よ、大馬鹿よ!人生損しちゃってるわよ。――ねぇ、光春くん」
私の言葉にヒートアップする桜子さんは、私相手では埒が開かないと思ったのか課長に話を振った。