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第8章 冬空の下で

それは恥ずかしいような嬉しいような今までに感じたことのない幸せな気持ちになり、私も課長の背中に腕を回して身体全体で好きだという気持ちを示すと、同じだけの強さで答えてくれた。
しばらく抱きしめあった後、離れていった課長を寂しく思っていると、そっと触れるだけのキスをしてくれる。

「イヤ……じゃ、ないですか？」

私のことを気にかけてくれる課長に静かに首を横に振ると、課長は優しく微笑み、もう一度キスをしてくれた。
今度は触れるだけのキスではなく大人のキスだった。
課長の湿った舌が唇をなぞり、少し開いた隙間から滑り込んで私の舌を捉え絡めてくるその行為に嫌悪感はなく、寧ろ身体の奥から熱いものがこみ上げてくるほど幸せで、自分でも驚くほど自然に求め舌を絡ませ、イルミネーションの光り輝く中、私たちは時間が許す限り抱きあいキスを続けた。
この時の事を、私は一生忘れることはないないだろう……