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蕾は開き咲きほこる
第8章 冬空の下で
「私は坂上……汐里さんの事が好きです。ですから先ほどの言葉を真実にしたいと思っています」
真剣に紡ぐその言葉に、涙が溢れてきた。
ずっと独りよがりの気持ちだと思っていた。
こんな私の事を課長が好きになってくれるはずがないと、だったらこのままの関係が良いと諦めていた。
だけど、それは大きな間違いで、課長も私と同じ気持ちで私の事を好きでいてくれた。
そう思うと、課長への愛おしさが膨れあがっていく。
「こんな私ですが、つきあっていただけませんか?私の、彼女になってくれませんか」
その言葉を聞いた時には涙が頬を伝って零れ落ちていた。
それは嬉し涙で、その言葉の返事は決まっていて迷うことはない。
「……はい。私も、課長の事、好きです。彼女に、してください」
今度は酔った勢いでもなく私の本心を言葉にした。
私の返事を聞いた課長はくしゃりと顔を歪ませ、握っていた手を引き寄せて私を強く抱きしめた。