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蕾は開き咲きほこる
第1章 愛しい人
「泣かないで……汐里、泣かないで」
光春さんの悲痛な心が伝わってくる。
それでも私は光春さんと一緒にいることを望んだ。
今のままでも良い、状況か好転しなくても光春さんさえ傍にいてくれさえすれば良いと願い、共に生きていくことを決めた。
だけど、フトした瞬間に私が傍にいることで光春さんを苦しめているんじゃないかと怖くなることがある。
だけど、その心を殺して本能のままに光春さんに抱かれ愛される。
身体を交わらせるだけがすべてではない。
お互いに慈しみ尊重して心を交らわせていけば私たちは幸せに過ごしていける。
それに、今の私は光春さんなしでは生きてはいけない。
そう……
光春さんの言う通り、光春さんと出会った頃の私はこんな淫らな女ではなかった。
地味で誰にも必要とされず、増してや性に関して積極的でもなかったし一生処女のままかと思っていた。
そんな私が女として自信を持てるようになったのは光春さんのおかげだった。
光春さんと出会い、光春さんを好きになり、光春さんと愛し合う事ができたから今の私が存在する。
あの時、光春さんを好きにならなければ今の私はいない……