この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蕾は開き咲きほこる
第2章 本来の私
「坂上さん!!この資料、明日のお昼までに仕上げといて」
「あっ、はい」
同僚の水木さんから仕事の指示を受け、その手に持っている書類を受け取ろうとかけより手を伸ばした。
「これ、明日のお昼からの会議で使う……って悪い」
書類を受け取ろうとした瞬間、手が触れて引っ込めた私に水木さんは気まずそうな顔をする。
「いっ、いえ、大丈夫です。私の方こそ、すいません。明日のお昼までですね」
「あ、ああ。お昼からの会議で必要だから時間厳守で頼むわ」
「わっ、分かりました。明日のお昼までにはお渡しできるようにします」
差し出されたままの書類を受け取り、その場を取り繕って仕事を始めた。
ざっと目を通した感じでは簡単に終わる量ではない。
時計をみれば終業時間まで残り3時間。
今日はノー残業デーで残業もできない。
手分けをすれば明日のお昼までにはなんとかなるかと思い、相談を持ち掛けようとパーテンションで区切られている水木さんの席に行きかけた時、声が聞こえた。