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蕾は開き咲きほこる
第9章 キスの嵐

「それで明日は一緒に会社に行くことができないんです。かと言って混雑している電車で通勤させるのも心配で……そこで考えたんですが、かなり早くなると思いますが私が出社する時間に汐里も出社しませんか?」

「課長と同じ時間?」

「はい。その時間だと人も少なくて座れると思いますし、ほとんど社内にも人がいませんのでふたりで過ごす時間もできると思うんです。本当は仕事終わりに会えればいいんですが仕事柄難しいし、朝は朝で混雑した電車内ではゆっくり話もできない……それどころから毎朝抱きしめて通勤すると後々が大変ですからね。そろそろ感づく人もいるかと思いますから、どうでしょうか?」

今みたいにゆっくり話すことはできなくても、混雑した電車で話すよりはいいし、何といっても遠回りをして迎えに来てくれる課長に悪いと思っていたからその提案に乗ることにした。
次の日に課長が到着する時間に電車に乗ると電車内は空席が目立ち座って出勤することができた。
社内に入れば課長の言う通り1時間は誰も出社することもなく静かな時間を過ごすことができた――

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