この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蕾は開き咲きほこる
第9章 キスの嵐
「みっ、光春……さん」
さすがに呼び捨てはできなくてさん付けで呼ぶと、課長……光春さんはパァと花が咲くように笑う。
「汐里に名前で呼ばれるのはいいですね。では、ふたりの時は名前で、いいですね、汐里」
「はい……光春、さん」
まだまだ名前で呼ぶのは恥ずかしく感じるけど、名前で呼ぶだけで喜んでくれる課長……光春さんを見ていると名前を何度も呼んであげたくなる。
「光春さん?」
「なんですか?汐里」
「光春さん!」
「なんですか?汐里」
「呼んだだけです」
お互いに何度も名前を呼びあい、その合間に啄むようなキスを幾度となくかわし、それは次第に深くなる。
あれだけ恥ずかしかったのに、今ではその欠片さえない。
ただ、触れ合うことのできなかった3日間を埋めるかのように、誰もいない給湯室で淫らな水音を響かせながら、時間の許す限りキスを続けた。