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蕾は開き咲きほこる
第9章 キスの嵐

「みっ、光春……さん」

さすがに呼び捨てはできなくてさん付けで呼ぶと、課長……光春さんはパァと花が咲くように笑う。

「汐里に名前で呼ばれるのはいいですね。では、ふたりの時は名前で、いいですね、汐里」

「はい……光春、さん」

まだまだ名前で呼ぶのは恥ずかしく感じるけど、名前で呼ぶだけで喜んでくれる課長……光春さんを見ていると名前を何度も呼んであげたくなる。

「光春さん?」

「なんですか?汐里」

「光春さん!」

「なんですか?汐里」

「呼んだだけです」

お互いに何度も名前を呼びあい、その合間に啄むようなキスを幾度となくかわし、それは次第に深くなる。
あれだけ恥ずかしかったのに、今ではその欠片さえない。
ただ、触れ合うことのできなかった3日間を埋めるかのように、誰もいない給湯室で淫らな水音を響かせながら、時間の許す限りキスを続けた。

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