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蕾は開き咲きほこる
第10章 クリスマス
「お疲れさまでした。皆さんのおかげで何とか間に合いました。ありがとうございました」
ひとりではできなかった事も皆さんがいたからやり遂げることができたと頭を下げた。
「お礼を言うのは私たちの方よ。声をかけてくれてありがとうね。それに、これだけの飾りと料理、汐里ちゃんが指揮を取ってくれたおかげよ。本当にありがとう」
頭を下げる私の肩をポンポンと叩いて優しい言葉をかけてくれたのは一番年長の高畑(たかはた)のおばあちゃん。
私の事を孫のように可愛がってくれて、最初に仲良くなった常連さんだった。
「いえっ、みなさんが手伝ってくださった、おかげです」
「そんな事ないわよ。一番の功労賞は汐里ちゃんよ。料理のメニューを考えたり買い出しもしてくれたり、飾りつけの材料だって用意してくれた。私たちだけだったらスーパーで何かを買ってくるだけだけだったわよ」
テーブルの上で頬杖をついて話してくるのが桜子さんと同じ年の知絵子(ちえこ)さん。