この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蕾は開き咲きほこる
第10章 クリスマス
「さっき、桜子さんからLINEがきたんです。お互いに思いあっていて良いですね。」
嫌味でもなく心底そう思いながら、店を出てから届いたLINEを光春さんに見せた
『今日は色々とありがとう。
お祝いしてくれてとても嬉しかったです。
だけど、せっかくのクリスマスイブなのにごめんなさいね。
本当だったら朝からふたりで過ごせたはずなのに、私のために台無しにしてしまって、本当にごめんなさい。
前にも言ったと思うけど、光春くんは亡くなった主人との約束を頑なに守ってる。
いつも私の事を一番に考えてくれて、そのおかげで悲しかった時期を乗り越える事ができたし、一人で生きていく強さを蓄えることができた。
だから次は光春くんの番。
光春くんが自分の幸せを見つけて前に進む番だと思ってる。
それができるのは汐里ちゃん、あたなよ。
最初に一歩を踏み出したのは光春くんで、それをさせたのは汐里ちゃん。
だから、光春くんの事をよろしくね。
私の大好きな主人の親友をよろしくね。』
桜子さんのLINEにはそう書かれてあった。