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蕾は開き咲きほこる
第12章 昔のキミも今のキミも
「ここにいるじゃないですか、私は汐里に好意を寄せているしべた惚れなんですよ。私の想いは届いていませんか?」
「えっ、あっ、いえ……届いて、います」
光春さんの気持ちはイヤと言うほど伝わっている。
付き合う前もやさしかったけど、つきあうようになってからもさらにやさしくなった。
そして、身体を重ねるようになると益々やさしくなり、こんなにも甘やかされていいんだろうかとこの一週間で思うほどだった。
「こんな風に話せるのも、触れられて平気なのも光春さんだけなんです。他の人だとまだまだで、だから、そんな昔の私に好意を持つ人がいるなんて思わなくて……」
他の人と光春さんとは違う。
光春さんだからこそ一緒に居て楽しいと思えるし、ふたりで居る空間が苦痛とは感じない。
今の私だから光春さんは好きでいてくれると思っている。
それを伝えると光春さんは私と向き合い、静かに首を横に振って、いつもより真剣な眼差しが私に向く。