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蕾は開き咲きほこる
第13章 友人
――これからもずっと、光春さんの傍にいられますように……
色々とお願いしたい事はあったけど、今はそれだけで幸せだと思い、光春さんの隣でそれだけを神様にお願いした。
一礼をした後に隣を見ると、いまだに真剣な表情で何かを祈っている光春さん。
私と同じような事を祈ってくれているといいなと思いながら、光春さんのお願い事が終わるのを待った。
光春さんの瞼がゆっくりとあがり、本殿を見据え後に深々と一礼をし、私の方に視線を向ける。
私と目が合うと目じりを細めてやさしく笑い、私の手を取って拝殿を降りた。
次に向かったのは社務所でおみくじを引いた。
「あっ……」
おみくじを開いてみると、まさかの“凶”
全てにおいて悪いことばかりが書かれていた。
特に恋愛の欄なんて“すれ違いで喧嘩が絶えない”と書かれていて落ち込んでしまう。
正月早々ついていないと思っていると、凶のおみくじを光春さんに取られ、光春さんが引いたおみくじを渡された。