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蕾は開き咲きほこる
第13章 友人
「ここの神社は、恋人同士でおみくじを引いた場合はお互いのおみくじを交換しあうと言われてるんです。なので汐里のおみくじはそっちですよ」
渡されたおみくじは“大吉”で、恋愛の所には”万事うまく事が運ぶ“と先程のおみくじとは対照的な言葉が書かれてあった。
友人の欄も“一生の友達と巡りあえる”と書かれてあり、友達がいない私にとって夢のような言葉だった。
その他にも良い言葉ばかりが書かれていて慌てた。
「でも、私のは凶で、交換したら光春さんが凶になっちゃう」
「それでも決まりは決まりですからね。私たちは恋人同士なんですから交換するのは当然なんです。それに、神様に逆らったら罰が当たりますよ」
罰が当たると言われると怖くなり、光春さんに申し訳ないと思いながら、交換した“大吉”のおみくじをそっと手帳に挟んだ。
そして、凶を手にした光春さんの運気が少しでも上がるようにと、私が引いてしまった光春さんの“凶”を一緒に木に括りつけ厄を払い、今年一年の邪気を払う為にもお屠蘇の代わりに暖かな甘酒を頂いた。