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蕾は開き咲きほこる
第13章 友人

「な、な、な、長野さん???」

「汐里ちゃん、驚きすぎ」

私の驚く様子に、ソファーに座っていた長野さんは面白そうに笑う。
そんな事を言われても、桜子さんひとりだと思っていたのに他の人がいれば誰だって驚く。
それも相手は常連客の長野さんで、ふたりはどういう関係なのか気になってしまう。
知らなかったのは私だけかと隣を見ると、光春さんも知らなかったようで驚いていた。
というか、なんだか不機嫌に見える。

「光春さん?」

私は光春さんの袖を引っ張って声をかけると、一瞬にして表情を戻して長野さんと簡単な挨拶を交わし、手に持っていた鉢盛を桜子さんに渡した。

「昨日、商店街に行って良い物があったので差し入れです」

「えっ、何?ちょっと豪華じゃないの。手ぶらで来てって言ったのに」

鉢盛の中身を見て桜子さんは驚き、その声に長野さんが近づいてきて桜子さんの後ろから袋の中身をのぞき込んでいた。

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