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蕾は開き咲きほこる
第14章 合鍵
コーヒーを入れて持って行くと、光春さんが応接室から出てきた所だった。
「ありがとう」
「いえ……」
応接室から出てきた光春さんは仕事モードで私に接し始めた。
いつ誰が来てもおかしくない時間だから光春さんの態度は理解できるけど、なんだか寂しい。
いじけていると、光春さんは自分の机の上に浅く座り、空いている手で私の頬を撫でる。
「そんな顔をしないでください。そんな顔をされると仕事を休んで連れて帰りたくなります」
「本当、ですか?」
「ええ。このまま家に連れ帰って閉じ込めてしまいたい程ですよ」
無理な事だと分かっていても、一緒にいたいという意味合いの言葉をかけられると嬉しい。
私も同じだと言葉にしようとした時、フロアーの扉が開いて社員が入ってきた。
「おはようございます。相変わらず早いですね」
「満員電車に乗るよりはマシですよ。特に坂上さんは上りに乗るんですから尚更でしょう」
「あの上りの電車は半端ないっすからね。私鉄だと若干は余裕がありますよ」
「ありがとう」
「いえ……」
応接室から出てきた光春さんは仕事モードで私に接し始めた。
いつ誰が来てもおかしくない時間だから光春さんの態度は理解できるけど、なんだか寂しい。
いじけていると、光春さんは自分の机の上に浅く座り、空いている手で私の頬を撫でる。
「そんな顔をしないでください。そんな顔をされると仕事を休んで連れて帰りたくなります」
「本当、ですか?」
「ええ。このまま家に連れ帰って閉じ込めてしまいたい程ですよ」
無理な事だと分かっていても、一緒にいたいという意味合いの言葉をかけられると嬉しい。
私も同じだと言葉にしようとした時、フロアーの扉が開いて社員が入ってきた。
「おはようございます。相変わらず早いですね」
「満員電車に乗るよりはマシですよ。特に坂上さんは上りに乗るんですから尚更でしょう」
「あの上りの電車は半端ないっすからね。私鉄だと若干は余裕がありますよ」