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蕾は開き咲きほこる
第14章 合鍵
控えめな言葉とはうらはらに、光春さんの瞳からは期待しているのが見える。
次の日は仕事だけど、一緒にいたいのは私も同じ。

「はい。泊まらせてもらいます。だから、仕事頑張りましょう!」

私の言葉に顔を綻ばせる光春さんに、私のほうも自然と笑顔になる。

「楽しみに待っていますね。――汐里は先に戻って席にいてください。私はもう少し落ち着いたら戻ります」

光春さんは最後に触れるだけのキスをして私の背中を押した。
一緒に戻らないのかと視線を向けると、光春さんは渋い表情をして視線を下半身に向けた。

「あっ……」

ふっくらと盛り上がったらスラックスに“落ち着いたら”の意味を理解した。

「あっ、あのっ」

「気にしないでください。これも男の習性と言うもので時間が経てばおさまりますから。その間にコーヒーでも入れていただければ嬉しいですね」

正直、男の習性がどんなモノか分からない。
だから、大丈夫と言われればそれまでで、光春さんの願い通りコーヒーを入れる事にした。
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