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蕾は開き咲きほこる
第14章 合鍵
明日には動くと思っていた電車は次の日も運休のままで、電車が動いたのはそれから1日経った水曜日の朝だった。
特急に乗れる駅まで車で送ってもらい、始発の特急に乗って会社に到着したのはいつも待ち合わせをする30分前。
その時刻を光春さんには伝えていたから、ホームを出て改札口に向かうと待っていてくれた。
「課長!!」
5日ぶりに見る光春さんにドキドキしながら駆け寄ると、光春さんはメガネの淵を押し上げて一言だけ口にした。
「行きましょう」
たったそれだけを私に告げると、スタスタと足早に歩きだした。
いつもは私の歩調に合わせてくれる光春さんなのに今日は違う。
駆け足でついていかないと置いて行かれそうなほど早かった。
こんな光春さんは初めてで、昨日も帰ってこれなかったことを怒っているんじゃないかと怖くなった。
会社のエントランスを通り過ぎてエレベータに乗っても光春さんは何も話さない。
特急に乗れる駅まで車で送ってもらい、始発の特急に乗って会社に到着したのはいつも待ち合わせをする30分前。
その時刻を光春さんには伝えていたから、ホームを出て改札口に向かうと待っていてくれた。
「課長!!」
5日ぶりに見る光春さんにドキドキしながら駆け寄ると、光春さんはメガネの淵を押し上げて一言だけ口にした。
「行きましょう」
たったそれだけを私に告げると、スタスタと足早に歩きだした。
いつもは私の歩調に合わせてくれる光春さんなのに今日は違う。
駆け足でついていかないと置いて行かれそうなほど早かった。
こんな光春さんは初めてで、昨日も帰ってこれなかったことを怒っているんじゃないかと怖くなった。
会社のエントランスを通り過ぎてエレベータに乗っても光春さんは何も話さない。