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蕾は開き咲きほこる
第14章 合鍵

「早く帰ってこないかな……」

光春さんの家のソファーに座って光春さんの帰りを待っていた。
いつもなら仕事が遅いからと平日の夜に会うことはない。
それなのに、今日は家で待っていてほしいと帰り際に人目を阻んでマンションの鍵を渡してくれた。
お正月に一緒に過ごしたおかげで何がどこにあるのか分かるから夕食も用意して、光春さんの帰りを今か今かと心を躍らせ待っていた。
今から戻りますと連絡が入って30分。
21時過ぎた頃にカチャカチャと鍵が開く音が聞こえ、私はソファーから飛び降りて玄関に向かった。
光春さんの顔を見た瞬間、うれしくて笑顔になる。

「おかえりなさい!!」

玄関に飛び出してきた私に一瞬驚いた顔をした光春さんは、次の瞬間には満面な笑顔に変わる。

「ただいま。何か良いことでもありましたか?」

「あっ、いえ……ただ、光春さんを待ってたのでうれしくて」

改めて言葉にすると恥ずかしい。
それでも、こんなにテンションを上げて光春さんを迎えた気持ちに偽りはない。

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