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蕾は開き咲きほこる
第16章 桜の下で
「汐里……我慢できません。いつものように、してください」
声を上ずらせながら言葉にする。
いつものように……
それは会社の応接室で私が光春さんにしてあげる行為……
「でもっ、あのっ、ここは外、ですよ?」
「ええ、分かってますよ」
戸惑う私と違って、光春さんは外など関係ないかのようにいともあっさりと答えて微笑んでいた。
「えっと……」
さすがに外でするのは躊躇するし、誰かに見られでもしたらと思うと怖くて言葉を濁す。
そんな私と違って光春さんは期待しているような視線を私に向けたままで口角を上げる。
「その外で私をその気にさせたのは誰ですか?責任は取ってください」
「責任……」
「そうですよ。キスだけだったら我慢できたんですが……ここまでされれば我慢でもできなくなります。さすがにこの場所で汐里を抱くことはできませんから。――ねっ!お願いします」