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蕾は開き咲きほこる
第16章 桜の下で
人と話す事に慣れたと言っても知らない人と話すのは未だに苦手だし、母がパンを作るのが好きでいろいろなパンを教わったぐらいだから人に教えるだけのスキルもない。
それに……
「好きな人のために作って、美味しいと言って食べてくれる姿を見るだけで幸せなんです。ですからよそ様の人に教えようとは思いません」
親や姉妹につくってあげる喜びとはまた違う喜びを知ることができた。
光春さんだからこそ、こんなにも幸せになれる。
「嬉しいことを言ってくれますね。でも、その気持ちはわかります。定番かもしれませんが、目が覚めて味噌汁の匂いや焼き上がりのパンの匂いを嗅ぐとキッチンに立っている汐里を想像して自然と笑みが零れて幸せな気分になるんです。母親とは違う感情。ありがたくは思っても幸せとは思わなかった……好きな人、汐里だから感じる幸せだと思います」
「あっ、ありがとう、ございます」
それに……
「好きな人のために作って、美味しいと言って食べてくれる姿を見るだけで幸せなんです。ですからよそ様の人に教えようとは思いません」
親や姉妹につくってあげる喜びとはまた違う喜びを知ることができた。
光春さんだからこそ、こんなにも幸せになれる。
「嬉しいことを言ってくれますね。でも、その気持ちはわかります。定番かもしれませんが、目が覚めて味噌汁の匂いや焼き上がりのパンの匂いを嗅ぐとキッチンに立っている汐里を想像して自然と笑みが零れて幸せな気分になるんです。母親とは違う感情。ありがたくは思っても幸せとは思わなかった……好きな人、汐里だから感じる幸せだと思います」
「あっ、ありがとう、ございます」