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蕾は開き咲きほこる
第17章 独占欲
光春さんに抱きしめられながらお互いに荒い息を繰り返し、その荒い息がおさまる頃には私は光春さんに抱きしめられ、コツンと肩に頭を置かれた。

『……申し、訳ない……』

それは、とても小さく、弱々しい声だった。

『どうしたんですか?』

何に対して謝っているのか分からず聞いても返事をしてくれない。
その代わりに、私を抱きしめている腕に力がこもり、少し震えているような気がした。

『何か、イヤな事でもありましたか?』

私は抱きしめられている腕をポンポンと撫でながら聞くと、ぽつぽつと話始めた。

『分かっているんですよ。これは私の我儘だと……ですが、イヤなモノはイヤなんです』

主語を言わない光春さんの言葉の意味が私には理解できなかった。

『光春さん?何かあったんですか?』

『そう、ですよね。汐里が気付かないぐらい些細なことなんですよね。それでも私は……』


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