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蕾は開き咲きほこる
第17章 独占欲
いつにもまして歯切れの悪い物言いに心配になり、光春さんの腕の中で向きを変えて向かい合わせに座った。
うつむいている光春さんを覗き込むと、私と視線を合わせないよう顔を逸らした。

『本当にどうしたんですか?イヤなモノはイヤって……私、光春さんがイヤな事でもしましたか?』

そう言っても身に覚えがない。
今朝まではいつも通りだったし、羽間さんに私たちの事がバレた様子もなかった。

『言ってくれないと分からないですよ。イヤなところがあったら直しますから言ってください』

少し強めに言うと、光春さんは力なさげに笑った。

『汐里は、優しいですね』

『優しいのは光春さんですよ。だから今の私があるんです。知ってますか?あれだけ人との関りが苦手だった私は社内では平気なんです。今朝なんて皆さんの輪の中にいて楽しくおしゃべりできたんですよ。これも光春さんのおかげなんです』

光春さんの両手を握って告げると、光春さんは困ったような顔した。

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