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蕾は開き咲きほこる
第17章 独占欲

「課長には感謝しています。課長が羽間さんに声をかけてくれなかったら未だにみなさんと親しくなれなかったと思います。……きっと私じゃなくても同じような人がいたら気に掛けると思いますよ。それが課長だと思うから」

ちらっと課長の方に視線を向けると難しい顔をしてPCに向かっていた。
その表情を見ていると、ふたりっきりの時に見せる表情が特別なものだと感じた。
あの表情を他の人が知らないと思うと、なんだか嬉しくて優越感さえ感じてしまう。

「そうだね。坂上さんには悪いけど……頼まれなければ仕事以外で話すことはなかったよ。だけど話してみれば普通の女の子と変わらなかったしさ、それを考えると、課長って人を見る目があるってことだよね……。やっぱり、すげ~や」

羽間さんは光春さんを尊敬の眼差しで見つめ、自分の事を褒められたわけでもないのに嬉しくなった。
上からも下からも誰からも慕われる光春さん。
いつか、光春さんの彼女が私だと、胸を張って言える時がくればいいなと思いながら仕事を始めた。

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