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蕾は開き咲きほこる
第3章 課長の素顔
こんな寂しい夜道を普通の人だったら怖いと思うかもしれないけど、私はこのシーンと静まり返った空間が返って心地良い。
だからなのか、夜空を見上げながら歩いていると時間が経つのも忘れかなり遠くまで来てしまった。
だけど来てよかったと思う。
なぜなら目の前には大きな湖が広がり、その湖にはきれいな満月が映し出され神秘的な風景が私の目に飛び込んできたからだ。
その景色が妙に私をワクワクさせ、足は自然と湖に呼び寄せられる。
きちんと整備されているようで木の目の遊歩道がどこまでも続いていて、明かりが灯る中を歩くのも気持ちがよかった。
しばらく歩いていると、街灯とは違う明かりがある事に気がついた。
こんな時間に私以外にも人がいるんだと思いながら歩いていると、それは街灯ではなく寒さをしのぐための焚火の炎だった。
その横の椅子に座って炎を見つめていたのは私のよく知っている人……

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