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蕾は開き咲きほこる
第20章 旅行
「桜子ちゃん、久しぶり!!!」
「優子さ~ん!!」
旅館の玄関先にタクシーが止まると、私たちが来るのを待っていてくれた女将さん・優子さんが迎えてくれた。
気さくに桜子さんに声をかければ桜子さんは今まで見たことのないような甘え方をして優子さんに抱きついていた。
「本当に優子さんだぁ~~会いたかったぁ~~」
「私もよ。いつぶりかしらね。元気だった?」
「元気ですよ。優子さんは??優子さんは元気でした??」
よしよしと頭を撫でる優子さんに抱きついて甘える桜子さん。
私にとってお姉さん的存在の桜子さんが甘える姿に驚いてた。
「桜子も相変わらずだな」
桜子さんと優子さんが抱き合って再会を喜んでいる姿を見ていると、玄関外から真っ白い厨房服を着た男性が現れ光春さんの横に立った。
「そうですね……この光景は変わりませんね」
クククッと声を殺して笑う光春さんの視線は優しく、隣に立っている男性も目を細めてふたりの姿を眺めていた。